働くモチベーション

2011/11/17 08:32

NHK教育テレビの「仕事学のすすめ」が面白い。

今は、セブン&アイ・フードシステムズの大久保恒夫社長である。

テキストなどは読んでいないので、うろ覚えだが、社員教育に注力するようになってから、退職率は15%から6%へ減少し、収益率が大幅に向上したというような内容である。

そこから、「働くモチベーション」は自己成長曲線の接線の傾き(微分)に正の相関を持つことがわかる。大切なのは変化率ということである。

会社がやらなければならないことは自ずと見えてくる。

社員が成長するための環境、機会を最大限与えることはもちろんだが、これは会社としてのゆとりに制約されるので、そのこと以上に社員ひとり一人が仕事はひとつとして単純な繰り返しはなく、そのすべてが成長の機会であることを理解することではないか。

今日という日はまったく新しい一日の始まりであり、昨日の自分と今日の自分は違う自分であることを理解していれば、仕事に立ち向かっていくのに、朝から萎えた気分になることは多少なりとも防止できる。

請負という仕事を「請けて負けること」と解釈する人がいるが、これは間違いである。

それはクライアントにとっての価値を生み出すこと以上に、その仕事の中で自分の中の何を成長させるかという機会を与えられていることだと理解しなければならない。

成長できる要素を積極的に見いだして、自分自身のキャリアマップの中に位置づけること。それは自分自身の姿の未来予想図を完成させていくことに他ならない。匍匐前進でもなんでもいい。駒は前に進んだと、そういう手応えを感じ続けることが、働くことの本質な意味を身体に感じさせることになる。

人材がいないと嘆く前に、今、目の前にいる人材のポテンシャルを引き出すことに注力しよう。どのみち人は自分の能力の数パーセントしか使っていない。以前、高校中退の女性が働いていたことがあるが、彼女の成長曲線はだれよりも急勾配だった。高学歴であるという過去の栄光に頼っている方が、よほどつまらない。

会社というのは人材という最も魅力的な商品を生み出す工場、フィールドであるべきだ。

そして成長することに一番の喜びを感じる人材こそ会社にとってはかけがえのない宝物だということになる。


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