トランプ関税の行き着く先

2025/04/03 17:52

2024年のトヨタ自動車の自動車販売台数は約1,015万台で、そのうち日本からアメリカに輸出する完成車は約53万台というから、トランプ関税の対象はその割合は5%ということになる。しかし、実際の数字以上にその影響や、インパクトが報道され、日経平均株価は35,000円を割り込んだ。
 日本も400年ほど鎖国し、海外との交流、接触を長いこと回避していたとは言え、今や世界中瞬時に情報が伝わり、3日もあれば地球を一周できてしまう現代においては単に経済分野の問題というだけではなく、国としてのあり方そのものを問われているのではないだろうか。
 これまでのグローバル化のプロセスでは、消費する国と生産、供給する国が分業化し、役割の最適化が進んできた。しかし、結果的には先進国に於いても、発展途上国に於いても所得の二極化が生み出され、社会の分断が進んでいる。先進国や中国等のグローバル化に恩恵を受けた発展途上国では資産の自己増殖によって短期間に富裕層が厚くなり、その一方で仕事を海外の安価な商品に奪われたブルーカラー層の貧困化が進んでいる。オフィスにしたところで、IT化、AI化が進むことで比較的単純な作業に従事していた労務系ホワイトカラーともいうべき人達は徐々に減少してきている。
 つまり高度なIT技術と安価で高速な移動手段の実現は社会を豊かにした一方で二極化、分断化をもたらしている。社会がオープンに繋がれば、繋がるほど実は社会の階層化と分断が大きくなるという背反した構造は、資本主義が利益の最大化を本質としている以上回避することが出来ないことが徐々に現実のものとして表れてきている。
 マルクスが予言していたような階級闘争によって、全体主義的な社会に転換するのではなく、第二次大戦後の先進国に現れたような豊かな中間層が中核となって、経済や文化が循環的に発展していくような社会になるためには、世界経済と自国の経済の間に障壁を設けることはある意味正解なのかもしれない。
 日本はトランプの政策に粟を食って、「どうにかして分かってもらって、特別扱いにしてもらいます。」なんて情けないことを言っていないで、アメリカへの投資なんて全部止めてしまって、自国内の投資に回して、食料もエネルギーも外国に頼らないでも暮らしていける、自立した豊かな国としてのビジョンを描いて、国民全員が火の玉となって働けばいいのではないか。日本人というのはそういう風にひとつの目標が定まったら、そこに力を合わせて邁進出来る文化的体質を持っているのではないかと思った一日だった。


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