テレビ広告などを見ていると時々ブランディングを目的としているのか、販促(セールス・プロモーション)を目的としているものなのかわからなくなるものがある。
ブランディングとは、消費者の頭の中に商品やサービスの中心的な価値観を認知、固定化させ、そのブランドに対する好意度を形成しようとするものであり、長期的なアプローチが必要になるものである。これに対して、販促とは一定のニーズ、ペイン、ウォンツを持っている顕在化した顧客に、そのブランドへの接触行動を呼び起こすための具体的、実践的なフックになるものである。そのため販促として訴求される内容としては、期間の限定されたキャンペーンとか、イベントといった一時的、短期的効果を狙ったものになるということがある。
問題はこの販促的な手法で、ブランド広告を行うとどうなるかということで、意外と区別されていないのではないかと思うことが多い。この販促型でブランド広告をする企業に多いのは、ある種の一貫性のなさであり、一つのブランドの元で、大衆的コスパを訴求しているかと思えば、ハイブランドとしての希少性、付加価値を訴求している等、ブランドとしてのコンセプトがその時々の広告目的によって、変化しているのではないかと思われる。
ブランディングと販促をうまく切り分けている企業はコンセプトやマーナー&テイストのブレないブランド広告を緩めのインターバルで長期的に展開しながら、繁忙期と思われる期間にキャンペーン的な販促広告をスポット的に挟み込んでいく。
ブランドとしてのコンテクストと、キャンペーンとしての瞬発的な訴求力を認知科学的なアプローチから長期短期のコミュニケーション戦略に組み込めている企業はまだまだ小数ではないだろうか。
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