震災後のマーケティング

2011/07/17 04:08

先週、東京に往復したが3列席までびっしり埋まり、その混雑具合には驚いた。

6月の中旬くらいから東京でも普通の業務に戻っているという話を聞く。

・日本人は飽きっぽい性格と言われているが、震災後にも残る消費の潮流はどんなものだろうか。

1)安全・安心志向

・特にトレーサビリティについての情報開示の有無は販売への影響力を増していく。

2)環境志向

・長期的には原発に将来がないことは社会的なコンセンサスになり、自然エネルギーの比重は高まるのだろう。コストとして意識されてこなかった節電や電気料金が意識化されることで省エネニーズは高くなる。

3)絆志向

・リーマンショック前の「社会は競争社会で、勝ったものが全てを取ることは当然という」競争的な功利主義が一気に崩壊し、「助け合って活きていくために、人同士が交流する」ということの重要性が強く認識されている。そこにソーシャルネットワークの様々なツールが出てきたことで、都市型住民でも、あたかも近所づきあいのようなコミュニケーションが容易に実現することが証明され、多くの人が経験している。

4)自己防衛志向

・国とか、学者とか、行政が如何に信用できないものかが連日報答され続けている。結局、何年経っても誰もこの国のビジョンを示さないので、日本人としては結局自分でなんとかするしかないというあきらめが生まれている。もはや年金ですら、老後の自分の生活を保障してくれるものではない。ほとんどの消費者は益々防衛的、保守的な消費傾向にならざるを得ない。

5)情報志向

・信頼できる情報の重要性が増している。自分が必要とし、信頼できる情報のポイントを提供するサービスには成長性がある。情報のリテラシーに拘わらず、発信される情報が多くなればなるほど、本当に必要で信頼できる情報の価値は高まる。

いずれも安定した長期トレンドとして、消費性向に影響を与えていく要素であり、今後の商品、事業企画提案には入れ込んでいきたい。


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