セレンディピティ(serendipity)

2011/10/09 02:06

それは幸運を見つける力。偶然の中に潜んでいるチャンスを見つけ出す力である。

同じ状況の中でも、その事象が自分にとって、あるいは自分に課せられている課題にとって、どれほど重要なことであるかを的確に判断する能力には差がある。

マーケッターにとっても、この情報の重要性を判断する能力が、基本的な才能ではないかと思う。情報を網羅的に並べる段階から、“ピンと来る感覚”でひとつの情報をピックアップして、発想を展開していけるかどうか。あるいは漫然と街を歩きながら、感じた変化の中から次につながるトレンドを見いだせるかどうか。そのテーマのために集めた情報から論理的な思考で割り出されるものとは異なる。だいたい論理的に思考された結論は、どこでも似たり寄ったりになって、論理的に精緻であるほど差別化できないジレンマに陥っていく。

こういう能力は知識、知性、感性が複雑に絡み合って生み出せるもので、そういうものの集積として直感力につながるものである。はやりの心理テストで、一つの写真がどう変化するかを当てる問題があるが、そのときのコツはどこかに集中するのではなく、全体を俯瞰する視点を持って、ほとんどぼんやりと違和感を感じる部分に徐々に神経を集中していくことだそうだが、マーケッターも作業ばかりしていると、この俯瞰する視点に持って行けず、小さい事象の集積を前に混迷を深めることになる。

セレンディビティの能力に長けている人は、プライベートでも幸福の方向に自分を持って行く確率が高いのではないだろうか。やはり、仕事を依頼するなら、しかもそれがマーケティグに関することなら、幸運を見いだす能力を持った人に依頼したくなるだろう。だから、そのためには自分自身の幸福開発能力を強化しなければならないという結論に至るのでありました。


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